バンコクは大都会であり、タイの人口の大半がここに集中するといってもいいくらいだ。とはいえ、人口は日本の半分。バンコクもそれこそプロンポンやトンロー辺りはビルも家も密集しているとはいえ、10キロも離れてしまえばあっという間に田園風景に変わる。そんなバンコク郊外に住むターさんの家を訪問してみると……。
ターさんの家族構成がまたおもしろい

動画のタイトルに中流層という意味で「一般家庭」と入れたところ、ターさん家庭はもっと上のクラスではないか、という指摘があった。
ここで説明しておきたいのは、タイ富裕層を日本でいうハイパー富裕層も含めていると考えると、確かにターさん世帯は中の上ではあるが、富裕層には入らないと判断できる。
とはいえ、かなりすごい家族ではある。
ターさんの夫はITエンジニアで、パソコンに詳しいこともあって息子もまたオンラインゲームに長けている。
それから、妹が少しだけ動画に出てくるが、実は英語がかなり達者でもある。
というのは、祖父(ターさんの義父)がヨーロッパへの留学経験があるそうで、祖父とは常に英語で会話しているそう。
それから、動画には出てきていないが、義姉は航空管制官だったりする。
この家族構成でも動画的にはおもしろかったのでもっと広げたいところだったが、世帯構成としてはさらに義姉の友人カップルも一緒に住んでいるという。
日本ではなかなか聞かない同居関係ではないか。
こういうところがタイ人の寛容さを表す事柄だし、友人も全然遠慮とかないのかなあと思ってしまったり。
郊外暮らしが全然悪くない要素
義実家は国道から少し入ったところにある。
後述するが、ターさんが結婚してすぐのころだからもうかれこれ10年以上前に初めて訪れたときは、本当になにもなかった。正直、ここには住めないなと当時は思った。
それが今や、である。近くにBTSの駅もできて、バイクタクシーで10分くらいの距離感だから、よくよく考えればトンロー通りなどの奥のほうに暮らすのと大して変わりがない。
通りも整備され、新しくできた道も合わせて利用すれば、ターさんの家からシーロム通りまでも30分前後といったところだ。
このエリアの魅力は、都心との距離が縮まったことだけではない。
逆に、近隣の市場や屋台などの相場はあまり変動していないということもかなり大きい。
ターさんが住む義実家はチャオプラヤ河の西岸で、ザッツ郊外という雰囲気がまだ色濃く残っていて車やバイクのない生活は厳しいとはいえ、市場などの食量の相場がかなり安い。
画像の鶏から揚げなどはご飯とセットなのにたった20バーツ(約100円)で済んでしまう。
昨今はタイの物価上昇が著しく、特にバンコクはなにもかもがとてつもなく高い。
和食だって、日本と同じ店で比較するとタイは日本の倍くらいはする。
屋台でもここ10年で2倍近くになっているといってもいいくらいだ。
しかも、円安の現在、日本円に換算すると膝から崩れ落ちそうになってしまう。
そう考えると、ターさんの住む地域は魅力がありすぎる。
日本人が思うくらいだからタイ人にも好まれていて

本当になにもなかったターさん義実家周辺だが、動画内でもいっているように、
地価高騰が著しい。まず、ターさん自宅前の大通りは電灯すらないような本当になにもない道だったが、今は多数の店ができていて、空き地が道路からは見えなくなってきているほど。
一番驚いたのは、大きなカフェ風の店構えで営業するチョコレート専門店だ。
ここ10年くらい、タイはタイ産コーヒー豆の再認識でブームが続いている中、タイ産カカオ豆も注目されていて、チョコレート専門店が増えつつある。
プロンポンやトンローのエリアでもそういう店が散見される。
とはいえ、そこは都会だ。チャオプラヤ西岸の郊外にもあるなんて、利便性が上がっていることの証明だ。
そのためもあって、動画内のように4億バーツで家と土地を売却した人もいるという。
日本円で20億円くらいだ。
タイでも土地持ちはこれくらいの財産を手にすることも可能なのである。
とはいえ、大昔から住んでいる人はともかく、ターさんの実家のようにここ40年50年ほど前にここに来た人の中にはこうなることを狙っていた人もいる。
実はターさんの義両親もその側に入る。
タイは利権だとか情報を先取りした人がビジネス的に勝てる国だ。
実はもうそれくらい前からタイ政府やバンコク都はこのエリアの開発を決めていたという。
義父の姉がタイ銀行(Bank of Thailand)に勤めていたそうで、開発される情報を入手し、購入したという経緯があるそう。
近隣にも元タイ銀行の人や関係者が土地を買っていて、もちろん土地の広さによるものの、近隣はどこも日本円で億を超える資産価値に高騰しているようだ。
情報収集はしっかりとした筋から
タイは法令的には外国人が土地の購入をすることはできない。
不動産に関してはできてコンドミニアム(マンション)まで。とはいえ、地域によっては価値が下がりにくい分譲もいくつかある。
そういう情報を外国人が入手するにはどうすればいいか。
答えは簡単で、しっかりとした筋から情報を手に入れたらいいだけの話。
とはいえ、その筋をみつけることがまず難しいが。
日本人にはその点ではリノシーが心強い。
ディアライフとしてもう長きに渡りバンコク賃貸物件仲介ではトップの企業だった。
ここも近年は売買物件にもサービスを広げている。
特に相場が変動しにくいエリアを中心に、しかも信頼できる物件オーナーやデベロッパーの部屋を網羅しているので、安心感がある。
郊外住まいはタイ語ができるなど、かなりタイに精通していないと難しいので、まずは都心でタイに慣れてから郊外は考えてみるほうがいいかもしれない。