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自分らしく生きられるバンコク LGBT日本人しゅんさんの生活を覗き見

タイは自由な風潮があって、LGBTもタイ社会に受けいれられている。
そんなタイにある日本人社会でもかなり珍しい存在が、今回インタビューをしたしゅんさんだ。
タイ政府が発行する教員免許を持ってバンコクの公立高校で日本語を教える。
LGBTでもあり、日本ではゲイバー経営もしていた。
そんなしゅんさんの楽しそうなバンコク生活をちょっと覗いてみた。

激レア・キャラのバンコク在住日本人しゅんさん

MRTラマ9世駅に現れたしゅんさんはTシャツにジーパンというラフな姿だった。そんな親しみやすい雰囲気なのに、実は職業は堅く、公立高校の教師である。
あたりまえの話だが、タイの学校で教職に就くには、ちゃんとタイ政府が認める教員免許を取得しなければならない。

日本の教員免許があれば書き換え可らしいが、一切教職経験のないしゅんさんだったので、なんとかタイ教員免許を手にし、2008年から正式にタイ公立校の教師になった。
具体的な統計は不明だが、しゅんさん曰く、タイの教員免許を持っている日本人は本当に数えるほどなのだとか。

日本人の多いタイとはいえ、かなりのレア・キャラである。
タイでも日本でも一般的な教師は大学を卒業してそのまま教員になる。

悪い言い方をすれば、一般的な社会経験のない人が子どもたちに先生と呼ばれるようになってしまうわけだ。

ところがしゅんさんはそうではなかった。

人間関係や欲望の坩堝であるゲイバーを経営してきたという経験がある。
そういった特殊な人生経験もまた教職に役立つこともあるのかもしれない。
ときどきSNSにアップされるしゅんさんの教員生活を見ると、生徒たちに慕われていることが窺える。
しゅんさんの人間性、懐の広さがわかる姿だ。

見よ! 自宅がホテルのようだ!

しゅんさんが暮らすコンドミニアムはおよそ40階ほどの巨大な、日本でいうタワマンである。
西向きの部屋の前はズドンと抜けていて、夕方以降の景色が美しい。
眼下の高速道路の渋滞で浮かびあがるライトの小川がきれいに映えるのだ。

竣工してまだ数年。
動画で映っていなかった部分でいうと、セキュリティーが素晴らしい。
ロビー前にコンビニエンスストアがあり、エントランスには常時守衛がいる。
さらに居住エリアに入るにはまず顔認証のカメラをパスしないと共有ホールのドアが開かない。
エレベーターも顔認証をしたうえで、自分が行く階数のボタンが反応する。部外者は絶対に入ることができない。

特にプールがすごかった。
というのは、プールが屋上、つまり40階以上の高さにある。
まるでシンガポールの某カジノ上のプールのような。
水面に目線を合わせると、その先は空である。
夜間に行けばトンローやアソーク、プラトゥーナーム方面の高層ビル群が美しい夜景となる。
2024年夏は東京などにてインフルエンサー系イケイケ女子たちがこぞってナイトプールとやらに出かけて画像やクリップをアップしていた。
しゅんさんのコンドは住民なら無料で毎日それが楽しめるわけだ。

これからもやりたいことがいっぱい

しゅんさんは今、年下パートナーと暮らしている。
執筆時点でタイでは同性婚の法案が可決され、あとは公布されればしゅんさんとパートナーも晴れて「夫婦」だ。
これはタイに暮らすLGBTにとって大きな一歩になる。

このように運が向いてきている中、しゅんさんも人生にハリが出てきていて、いろいろなことをしたい欲求が高まり、じっとしていられないという。
学校の仕事にも力を入れるし、私生活でもやりたいことがいっぱいだ。

近年でいえば、しゅんさんは「バンナー星人」というペンネームで書籍を上梓した。
タイの実話怪談を集めた本で、日本の怪談業界でも話題に。怪談界隈の旗手たちの動画にも出演したり、夏休みなどの長期休暇は日本に帰省しトークイベントを開催。
毎回大盛況だ。

さらなる創作意欲もふつふつと湧き、次の書籍出版も考えている。
同時に、動画制作もしたくて、『いた~いらんど』というYouTubeチャンネルも創設した。

何歳からでも、どこでも動きだせるのはしゅんさんの人柄でもあるし、これがバンコクだったからというのもきっとあるはずだと思う。

もし人生を楽しみたければバンコクに来るといい

先生であり、LGBTでもあり、かつてはゲイバーのママさん(パパさん?)の経験も持つ。
それゆえ、時折シャープな発言があったりと人を飽きさせない魅力がしゅんさんにある。
初めてタイに来たとき、当時のタイの玄関ドンムアン空港からのタクシーから見えたタイ文字の看板にしゅんさんが感じたのは「懐かしさ」だった。生まれたときからタイで暮らすことが運命だったかのように。

必ずしも誰もがしゅんさんのように生きられるわけではない。
しかし、もっと自分をさらけ出して生きたいという思いがあるなら、バンコクで暮らすといい。
さすがに身ひとつで移住するのは当面の資金もいるし、不安もあろう。
一番いいのは、タイに拠点がある企業に就職し、駐在員として派遣されることだ。

そんなときにリノシーなら快適な住まいのほか、さまざまなサポートをしてくれる。
タイ初心者でもとにかく快適な生活を始めることができる。

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