タイ駐在チャンネル

3軒の居酒屋経営から離れ 屋台式のホルモン食堂で復活

実はタイは「ただ暮らす」ということが難しい。
滞在ビザや仕事の継続など、日本で暮らすのとはわけが違う。90年代や2000年代初頭はタイもいい加減だったが、今は欧米並みに厳しいので、とにかく滞在し続けることが難しい。
在タイ歴30年の杉森さんはかつて3軒の居酒屋を経営していたものの、日本料理店の乱立やパンデミックの影響などですべてを閉業。
しかし2025年6月、再び杉森さんは立ち上がったのだった。

経営をシンプルにすることで復活を目指した


コロナ渦中、杉森さんは日本に戻っていた。
そのときに初めてホルモン焼きを口にし、その魅力の虜になる。
そして2024年後半に完全にタイに戻ることができたが、すでに持っていた店はない。
子どももまだ小さいので60歳を超えているとはいえ、まだまだ働かなければならない。
ずっと飲食畑で生きてきた杉森さんが考えたのは、シンプル経営だった。最少の人数、内装などに手をかけないなど。
そこで考えついたのが、好きなホルモンを屋台でやるということだった。
もともと飲食店経営者だったので、どこでなにを仕入れ、内装はどうしたらいいのかなどは知り尽くしている。
とはいえ、新しいジャンルだ。研究を怠らず、北に同業者がいればそこに向かい、教えを請う。
そうしてシンプルなスタイルとして、BTSプラカノン駅のまえにある商業施設の外側を借り、テントを張っただけの『ホルモン食堂』を開いた。
2024年6月のことだ。

実は珍しいタイの昔の話ができる店主


店では炭火を使う。
焼くのは客だ。とはいえ、ホルモンや肉類は可能な限りいいものでありたい。
仕入れ先をしっかり選別し、清潔で鮮度のいいものだけを必要な数だけ仕入れる。
焼肉店に欠かせないアルコール類も当然置いているとはいえ、これもかなりシンプルだ。
ビールは銘柄を最小限にし、基本的にはウイスキーなどは置かない。
というのは、隣にスーパーがあるからだ。
そこで飲みたい人が各自ウイスキーを買い、小額の持ちこみ料だけを払って飲むシステムにした。
大概数百バーツの持ちこみ料がかかるものだが、わずか100バーツという設定(取材時)だ。
そもそもビールも仕入れ値にそれほど利益を乗せていないので、だいぶ安く飲める。
取材時はオープンしたばかりというのもあって、それこそ肉とホルモンが少ししかなかった。
しかし、撮影から半年以上が経った今、もともとの居酒屋の経験もあって、居酒屋メニューも充実しつつある。
このため、顧客はタイ人や欧米人が多い。
日本人も少なくはないものの、実は平均年齢はそこそこに高い。
というのは、日本人の常連はみなかつての居酒屋の顧客でもあった人ばかりで、かねてからの杉森ファンだったりする。
バンコクやタイの昔話ができる店主というのは案外少ないので、タイに長く滞在する人には杉森さんはオアシスだったりするのだ。

住まいも昔ながらの探し方

日系企業駐在員などは安全面や利便性などの諸々をよく考えないといけないし、土地勘もないし、ホテルに長く滞在するわけにもいかないので時間もリミットがある。
そこで活用できるのがディアライフなどである。
とはいえ、安全は金で買うタイにおいては、ディアライフが扱うような安全な物件はそれなりに高額の家賃になる。
さすがに自営業者ではかなり儲かっていないと難しいわけだ。
杉森さんのように再起をかけてシンプルな商売をしているならなおさらだ。
そこで、杉森さんは昔ながらのように賃貸物件を探した。
ローカル向けのアパートはかつて、ここに住みたいというエリアを歩いて探したものだ。
杉森さんもだてに30年も暮らしてきたわけではない。家賃相場もだいたい把握しているので、店にも近いプラカノンの、完全にローカル向けのアパートをみつけてきた。
昔のアパートに比べてだいぶきれいな建物とはいえ、構造は大昔となんら変わらない。
ベランダもちゃんと鉄格子。
火災が起こる可能性よりも泥棒被害の可能性が高いからとは昔はいわれていたものだが、ベランダで自炊する人もいる今は、火災の可能性のほうが高いような気もするが…。

ローカル向けアパートはよほど慣れていないと難しい

執筆時点では円安もあって、同時にタイも物価が上がっているのもあり、家賃も円建て計算だとかなり高く感じる。
駐在員の場合、特に単身だと日中は家にいないことを考えると、そこを節約したい人もいるかもしれない。
しかし、これは杉森さんのように何十年もタイにいて、タイ語の読み書きができるからできることでもある。
ちなみに杉森さんは20年近く前に永住ビザを取得しているので、なおタイ慣れしているというわけだ。
そもそもアパートによっては外国人を受けいれないところもある。
外国人はあまり知らないが、ホテルであれ物件であれ、その所有者もしくは経営者は外国人が来た場合、48時間以内にイミグレに届け出ないといけない。
オンラインだとややこしいので、受けいれたがらないアパートもある。
安全や安心は、タイではお金で買うものだ。
ディアライフの扱う物件はその安全性などが乗っているのである。
ほかの賃貸仲介業者は借りたらそれでおしまいだが、ディアライフはアフターケアも充実している。
少なくとも物件選びは可能な限り、ディアライフのような業者を利用するのがベターなのだ。

関連記事