タイでは、正月のお祭りである「ソンクラーン」が毎年4月13日~15日の期間に開催されます。
街中で水をかけ合うイベントがあったり、伝統的な寺院の訪問をしたり、年に一度しか見られないタイの景色を楽しむことができます。
この記事では、水かけ祭りとしても有名なソンクラーンについて、楽しみ方やマナー・注意点などについてご紹介します。
4月13日~15日にタイに訪れる方や、タイに滞在中でまだソンクラーンに参加したことがない方は、ぜひこの機会に遊びに行ってみてはいかがでしょうか。
ソンクラーンとは?
ソンクラーンとは、タイの旧正月のイベントです。
タイの太陰暦を採用する暦法「チャントラカティ」における正月の時期のことで、太陽がおひつじ座に入る時期です。
ソンクラーンはもともとは正月の意味合いが強いものでしたが、1888年にタイ太陽暦が導入され多彩に4月1日を新年と定めることになりました。
その後、1940年にはグレゴリオ暦を導入したため、西暦と同様1月1日が元日となっています。
2023年には、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
ソンクラーンが水かけ祭りとなった起源
ソンクラーンは大規模な水かけ祭りとしても有名ですが、なぜ正月が起源となったイベントなのに水かけ祭りへと変わっていったのか気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ソンクラーンはもともと、正月に家族が集まって仏像や年長者の手などに水をかけてお清めをしていたという風習がありました。
その風習が転じ、今では街中で水をかける大規模な「水かけ祭り」として知られるようになりました。
ソンクラーンで行われること
ソンクラーンの期間に行われることは、水かけ祭りのイベントだけではありません。
タイの方々にとっては大事な帰省の時期で、家族との時間や年配の方を思いやったり、祖先を大事に思う日です。
ソンクラーンの期間中は、水かけ祭りの他にも、さまざまな行事が行われています。
ここでは、ソンクラーンで行われる行事についてご紹介します。
ソンクラーンの行事1.寺院へお参り
ソンクラーンの祝賀行事は、ソンクラーンの日の朝に寺院で行われています。
午前中に伝統的な行事を寺院で楽しんだ後、午後からは水かけ祭りを楽しむのも、タイにいるならおすすめのプランです!
ソンクラーンの行事2.大掃除
ソンクラーンの初日は、タイでは自宅や職場、学校、公共の施設などを掃除します。
日本では大掃除といえば年末のイメージがありますが、タイでは「前の年の不運を掃除する」という意味があるようです。
ソンクラーンの行事3.ソンナムプラ
ソンナムプラとは、仏像に香りのついた水を注ぐ習わしです。
水を注ぐことで、仏像を入浴させるという意味を持っており、これまでの災いや不運を洗い流し、気持ちよく新年を迎えようという意味があるようです。
ソンクラーンの行事4.水かけ祭り
ソンクラーン期間中は、タイ全土で水かけ祭りが開催されています。
街中のいたるところで、水鉄砲などを使って道行く人同士で水をかけ合うイベントです。
場所によっては、タイの国獣であるゾウから水をかけてもらうこともできます。
ソンクラーンの水かけ祭りが開催される場所
ソンクラーン期間中は、タイ全土で水かけ祭りが行われています。
その中でも、特に盛り上がりを見せる場所を3つピックアップしました!
- バンコク
- プラパラデーン
- アユタヤ
それぞれのエリアの見どころについてご紹介します。
バンコクのソンクラーンとは?
タイの首都バンコクでは、ソンクラーンも大規模に行われます。
まずは13日のソンクラーン本番前に、歴史的な文化などをイメージしたパレードがはじまります。
13日からは、シーロム通りとカオサン通りを中心に、タイの方だけでなく多くの観光客も
一緒に水かけ祭りに参加します。
サイアムスクエアやロイヤル・シティ・アベニューなどでも大規模な水かけ祭りが行われ、若い世代を中心に毎年盛り上がりを見せています。
また、「世界一ずぶ濡れになる音楽フェス」として有名な「S2O FESTIVAL」も開催されます。このイベントは2015年からスタートしたイベントで、世界中から有名DJが集まり、音楽と水遊びも楽しめます!
プラパラデーンのソンクラーンとは?
サムットプラカーン県プラパラデーン地区のソンクラーンは、タイの中でも最大規模だと言われています。
プラパラデーン地区へは、バンコクBTSベーリン駅から車で1時間ほどの距離です。
プラパラデーンには「モン族」という山岳少数民族が古くから暮らしている地域で、モン族の民謡劇や壮大なパレードを楽しむことができます。
また、プラパラデーンのソンクラーンは、他の地域と開催期間が異なり、4月13日の翌週の週末に開催されます。
アユタヤのソンクラーンとは?
遺跡や世界遺産の地としても有名なアユタヤでは、ゾウと一緒にソンクラーンを楽しめます。
街中ではタイの民族衣装をまとった人たちによるパレードが行われ、「エレファント・キャンプ」「スアンプリック」ではゾウの鼻から水が放射されるイベントも開催されます。
アユタヤにあるヴィハーン・プラ・モンコン・ボピット寺院では、早朝から住民が多く集まり、伝統的なお祝いも行われています。
ソンクラーンの水かけ祭りの楽しみ方・持ち物
ソンクラーンといえば水かけ祭り。
その水かけ祭りを心置きなく楽しむポイントや、持っていると役立つ持ち物などをご紹介します。
ソンクラーンへのお出かけ前にぜひチェックしてください。
ソンクラーンの水かけ祭りの楽しみ方
ソンクラーン期間中は、たとえまだ目的地に到着していなくても、通行中に水をかけられることがあります。
そのときは笑顔で応えてあげましょう!
街に出るときはずぶ濡れ覚悟で、濡れても色落ちなどを気にせずに過ごせる乾きやすい服や靴を選んだり、中に水着などを着ておくようにしましょう。
参加するときは、とにかくお互いに水を掛け合います!
いわゆるウォーターファイトと言われるイベントですが、これ以外にも音楽に合わせて踊ったり、屋台でご飯を楽しむこともできますよ。
ソンクラーンの水かけ祭りの持ち物
ソンクラーン期間中は、あちこちでイベントに合わせたグッズも販売されています。
参加する前に、下記の持ち物はチェックしておきましょう!
- 水から目を守るためのゴーグル
- 防水スマホケース、防水ウォレット
- 水鉄砲
ソンクラーンではとにかくあちこちで水をかけられます!ふいにかけられた時に水が目に入って結膜炎などにならないように、ゴーグルを用意しましょう。
また、大切なスマホやお金を濡らさないように、防水のケースを用意しておくことも必須です。
ソンクラーン向けの水鉄砲は様々なお店で売っていますが、ぜひ気に入ったアイテムを見つけてウォーターファイトに参加してみてくださいね。
ソンクラーンに参加する際の注意点
ソンクラーン開催中は、実に多くの人でタイ全土が盛り上がります。
しかし、その機会を狙った犯罪や、思いがけないトラブルに巻き込まれてしまわないように、ソンクラーンに参加する際の注意点をご紹介します。
水かけの相手に気を付ける
寺院にいるオレンジの服装の方はタイのお坊さんです。ソンクラーン期間中でもお坊さんに水をかけることは絶対にいけません。
また、警察官や軍人にも水をかけるのは絶対にやめましょう。
その他、お店の人や売り物にも水がかからないように注意しましょう。
タクシーやバス移動も注意
濡れないようにタクシー移動をすることもあるかもしれませんが、タクシーでは絶対に窓を開けないようにしましょう。
タイではたまにタクシーの窓が少し開いたままになっていることがありますが、ソンクラーン期間中はタクシーに乗ったらすぐに窓を確認することが大切です。
水かけ祭りが行われている通りをタクシーが通ると、タクシーにも水がかかってしまい、窓から水が入ってしまってトラブルになる可能性もあります。
また、エアコンがついていないバスは窓が開きっぱなしなので、濡れたくない場合はソンクラーン期間中は窓が開いている乗り物を避けることをおすすめします。
貴重品の取り扱いに注意
観光客でにぎわうエリアは、持ち物やお金などを狙った犯罪も多くなります。
大勢の人が集まる場所へ行く際は、できるだけ貴重品を持ち歩かないようにしましょう。
現金も最低限の金額を防水ウォレットに入れておくのがおすすめです。
また、携帯電話も防水カバーをしっかりとつけて、肌身離さず持ち歩くようにしましょう。
タイの正月、水かけ祭り・ソンクラーン|まとめ
今回は、タイの水かけ祭りとしても有名な「ソンクラーン」についてご紹介しました。
伝統的な行事から、老若男女問わず楽しめる大規模なイベントも多く開催されるので、この時期にタイに行く予定の方やタイに駐在中の方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。