タイへの駐在や引っ越しを検討するなかで、「子どもの教育はどうなるのだろう?」と不安を抱く方も多いのではないでしょうか。
実際、タイの教育制度は日本と似ている点もある一方で、入学時期や学校の種類など、駐在家庭が押さえておきたい違いもあります。
本記事では、タイ教育の基本、日本人学校とインターナショナルスクールの特徴、そして帯同か日本残留かを判断する際のポイントをわかりやすく整理します。
事前に知識を得ておくことで、ご家族に合った進路を落ち着いて選べるようになるはずです。
タイでの駐在生活を前向きにスタートするために、ぜひ役立ててくださいね。
目次
- タイの教育事情の基本
- タイの日本人学校
- タイのインターナショナルスクール
- タイで通える日本人学校・インターナショナルスクールをご紹介
- タイで人気の習い事
- 帯同する?日本に残る?教育面での判断ポイント
- タイで教育を受けるなら、どの学校が合っている?
- まとめ|タイでの日本人の教育事情は?子育て世代の駐在さん必見の学校事情
タイの教育事情の基本
タイの教育制度は日本と同じ「6-3-3-4制」が採用されており、初等教育から高等教育までの流れは大きく変わりません。
義務教育は9年間と定められているため、中学校までは無償で通えます。
一方で、学期制度や入学時期は日本と異なる点が多く、帯同を決めるうえで必ず押さえておきたいポイントです。
日本では4月に新学期が始まりますが、タイの公立学校は「5月中旬」に前期がスタートし、後期は11月から3月までとなっています。
さらに、インターナショナルスクールは、一般的に「8月」を入学時期としています。
タイと日本では学期制度や入学時期が大きく異なるため、転入のタイミングを考える際には、違いを理解しておくことが大切です。
タイの日本人学校
タイには、バンコクとシラチャの2か所に日本人学校があり、日本と近い環境で学べることから、多くの駐在家庭が選ぶ選択肢のひとつです。
日本人学校であれば、日本語で授業を受けられる安心感が大きく、帰国後の進路にもスムーズに対応しやすいのが特徴です。
ここでは、学校の特徴やメリット・デメリットについて解説します。
日本人学校の特徴
タイの日本人学校では、日本国内で使用されている検定済み教科書を採用しており、授業内容や学校行事も日本のカリキュラムに沿って進められます。
校内の共通言語は日本語で、生活指導・学級運営・行事のスタイルも日本の公立校に近い形です。
また、小中一貫教育となっているため、転入後も日常生活に馴染みやすい点が大きな特徴です。
日本人学校のメリット
先述したように、日本人学校では日本語で生活をするため、コミュニケーションの不安がなく、子どもが学校生活に馴染みやすい点が大きなメリットです。
また、日本のカリキュラムに沿って学べるため、学力面や生活面のギャップが少ないことから、帰国後もスムーズに日本の学校へ戻れます。
さらに、インターナショナルスクールと比べて費用が抑えられる点も、駐在家庭にとって安心材料です。
バンコク日本人学校の場合、入学金は16万バーツ、授業料は年間で約15万バーツ前後とされています。
海外での教育費としては大きな負担になりにくく、初めての帯同でも検討しやすい費用感といえるでしょう。
日本人学校のデメリット
日本人学校は中学部までのため、高校進学を機にインターナショナルスクールへ転校するか、日本へ帰国する必要があります。
タイで高校進学までを視野に入れている方は、いざという時に慌てないよう、進路を明確にしておくといいでしょう。
また、コミュニティが日本人中心になりやすく、多文化環境に触れる機会はインターナショナルスクールに比べて限定される点もデメリットです。
国際色豊かな環境で英語や異文化に日常的に触れたい場合は、物足りなさを感じるケースもあります。
さらに、日本のような給食制度がないことも、保護者の負担につながるポイントとしてよく挙げられます。
毎日お弁当を準備する必要があり、忙しい朝の時間が増えることを懸念するご家庭も多いようです。
タイのインターナショナルスクール
タイにはアメリカ式・イギリス式など、さまざまなカリキュラムを採用したインターナショナルスクールがあり、世界に通用する教育環境が整っています。
英語を日常的に使う学習スタイルや多国籍な学校生活は、タイの教育環境ならではの大きな魅力です。
ここでは、教育方針の違いやメリット・デメリットを整理していきます。
タイのインターナショナルスクールの特徴
インターナショナルスクールでは、授業の共通言語が英語になり、クラスメイトも多国籍、多文化の中で学べる環境が大きな特徴です。
また、学校によって採用しているカリキュラムが異なり、主に以下の2つが中心です。
- アメリカ式(American Curriculum):SATやAPなど大学進学に向けた資格取得が中心
- イギリス式(British Curriculum):IGCSEやIB(国際バカロレア)の単位取得が目的
- カリキュラムの違いは進学ルートにも直結するため、長期的な教育計画を立てるうえで重要なポイントとなります。
タイのインターナショナルスクールのメリット
最大の魅力は、英語力が自然と身につく環境で学べることです。
毎日英語で授業を受け、多国籍の友人と交流することで、語学だけでなく国際感覚も大きく育ちます。
また、探究学習やディスカッションを重視するため、自分の意見を表現する力や課題解決力が鍛えられます。
将来、海外大学やグローバルなキャリアを目指す場合にも強みとなるでしょう。
タイのインターナショナルスクールのデメリット
一方で、学費が高額になりやすい点は見逃せません。
学校にもよりますが、入学金や授業料、教材費、スクールバス代などを含めると、日本人学校や日本の私立校以上の費用がかかるケースもあります。
また、日本のカリキュラムとは大きく異なるため、帰国後に日本の学校へ戻る場合は調整に時間を要することがあります。
特に短期駐在の場合は、学習内容の差をどう埋めるかを慎重に考えておきたいところです。
インターナショナルスクールに通いながら日本の学力も維持したい場合は、習い事や学習塾を組み合わせる方法が有効です。
タイには、日本語で教えてくれる学習塾や英語補習、数学専門塾などが揃っており、インターの学習と日本の学習を両立しやすい環境が整っています。
ディアライフ by RENOSYでは、住まいや生活サポートに加え、現地のインターナショナルスクールや学習塾のご紹介も行っています。
「どんな塾が合うの?」「日本の学習内容もフォローできる?」と不安を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。
教育と住環境の両面から、ご家庭に合った選択をサポートします。
タイで通える日本人学校・インターナショナルスクールをご紹介
タイで通えるインターナショナルスクールを2校ピックアップしてご紹介します!
インターナショナルスクールについては下記の記事でより詳しくご紹介しているので、ぜひ併せてチェックしてみてください!
泰日協会学校(バンコク日本人学校)|タイの日本人小学校
バンコク日本人学校は、プララーム9という場所にある、世界で最も長い歴史を持った日本人学校です。
小中一貫校で、大規模な学校となっています。
泰日協会学校シラチャ校(シラチャ日本人学校)|タイの日本人小学校
チョンブリ県シラチャにあるシラチャ日本人学校は、タイ国内で2番目に設立された日本人学校です。
バンコク校同様、小中一貫校となっています。
American School of Bangkok(ASB)
タイ国内にグリーンバレー校とスクンビット校の2校が存在するASBは、アメリカ式のインターナショナルスクールです。
ネイティブな語学力を持つアメリカ・カナダ採用の教師はもちろん、日本人の教師も数名在籍しています。
Bangkok Pattana School
タイの中でも規模が大きいとされているイギリス系のインターナショナルスクールが、Bangkok Pattana Schoolです。
このスクールの最大の特徴は、英語だけではなく、母国語も大事にするという教育方針です。
日本語を含む13言語の授業を受けられます。
タイで人気の習い事
タイでは、子ども向けの習い事も充実しており、教育面を補う選択肢が豊富です。
日本語で受けられる学習塾から、英語での探究プログラム、スポーツ・芸術系まで幅広く揃っているため、帰国後の学力維持や英語力の強化にも役立ちます。
ここでは、駐在家庭に人気の習い事を一部紹介します。
学習塾(国語・算数・英語)
日本語で学べる学習塾は、日本の学校に戻ったときの学力ギャップを最小限にしたい家庭に人気です。
国語や算数の基礎固めはもちろん、日本の進度に合わせた指導が受けられるため、日本人学校・インターどちらに通っていても利用しやすいのが特徴です。
英語補習・フォニックス教室
インターナショナルスクールの授業を「英語で理解する力」を伸ばしたい場合に役立つのが、英語補習やフォニックス教室です。
フォニックス教室では、聞く・話す・読む・書くといった技能を高める英語教育がおこなわれています。
幼少期のうちから、英語に触れさせたいと思うご家庭のニーズに答えられる環境は、タイにもそろっているのが特徴です。
水泳・サッカー・バレエなどのスポーツ系
タイはスポーツ環境が整っており、水泳やサッカー、バレエなどは特に人気です。
体力づくりだけでなく、異年齢の子どもたちと関わる機会にもなり、適応力や協調性の成長にもつながります。
ロボット教室・STEM教室
プログラミングや科学実験などを学べるSTEM(科学・技術・工学・数学)系の教室も増えています。
論理的思考力を育てたい家庭や、インターの学習内容と相性が良い習い事を探している家庭にぴったりです。
帯同する?日本に残る?教育面での判断ポイント
ここまで、タイの教育環境や日本人学校・インターナショナルスクールの特徴についてご紹介してきました。
タイ教育には多様な魅力がある一方で、日本との違いが影響しやすい部分もあり、家庭ごとに“合う選択”は異なります。
ここでは、タイの教育環境を踏まえたうえで「帯同するか日本に残るか」また「どの教育環境を選ぶか」を判断する際に押さえておきたいポイントを紹介します。
受験(中学・高校・大学)への影響
短期駐在で日本へ戻る予定がある場合、学習進度や教科内容の差が出やすく、帰国後の受験に影響することがあります。
一方で長期滞在であれば、インターナショナルスクールのプログラムを活かして海外大学を目指すなど、新しい進路の選択肢が広がります。
「いつ・どこで受験を迎える可能性があるか」を早めに家族で共有し、長期的な教育計画を描いたうえで選択することが大切です。
子どもの性格・適応力
新しい環境にワクワクできるタイプか、ゆっくり時間をかけて慣れていくタイプかによって、帯同の向き不向きは大きく変わります。
コミュニケーションの方法や集団生活のリズムが日本と異なるため「どんな環境であれば力を発揮しやすいか」を基準に考えることがポイントです。
生活リズムやメンタル面の変化
環境が大きく変わることで、成長のチャンスが増える一方、ストレスにつながるケースもあります。
特にインターナショナルスクールは課題量や活動量が多いこともあり、生活リズムとの相性も大切です。
帯同が決まった際は、日本人学校を選ぶかインターを選ぶか、通学のしやすさや学校の雰囲気などを事前に見学しながら慎重に検討すると安心です。
家族が離れて暮らすデメリット
単身赴任の形をとれば、日本での教育の一貫性は保ちやすくなりますが、家族時間が減ることでの負担や、お子さまのメンタル面への影響は小さくありません。
特に幼少期は、日々の生活リズムや精神的な支えが大切になるため、サポート環境や相談先が確保できるかどうかも、判断材料に入れておくと良いでしょう。
タイで教育を受けるなら、どの学校が合っている?
帯同を前向きに考える場合、次に迷いやすいのが「日本人学校か、インターナショナルスクールか」という選択です。
ここでは、それぞれの特徴を踏まえながら、どんな家庭に向いているかを紹介します。
日本人学校が向いている家庭
日本と同じ教育カリキュラムで学べるため、帰国後の進路を重視したい家庭に向いています。
学習内容のギャップが少ないため、「数年後には日本の学校へ戻る予定がある」「基礎学力をしっかりつけたい」といったご家庭とも相性が良いです。
また、学校生活のルールや文化も日本に近く、初めての海外生活でも子どもが安心して過ごしやすいのも魅力です。
費用面で比較的抑えられる点も、大きな決め手になりやすいでしょう。
ただし、日本人学校には高校がないため中学卒業後の進路は再度検討が必要になります。
インターナショナルスクールが向いている家庭
英語環境で学べるインターナショナルスクールは、「語学力を伸ばしたい」「グローバルな進路を視野に入れている」というご家庭にぴったりです。
多国籍の生徒とともに学ぶため、異文化理解やコミュニケーション力も育ちやすく、将来的に海外大学を目指す道も広がります。
一方で、日本の学習進度とは異なるため、帰国後の受験を予定している場合は注意が必要です。
学費が高額になりやすい点も、あらかじめ把握しておきたいポイントです。
「どちらが合うか迷う…」という場合は?
どちらにもメリットがあるため、すぐに結論が出ない方も多いでしょう。その場合は、次の3つを基準にすると考えやすくなります。
- 子どもの性格・適応力
- 受験をどこで迎えるかの見通し
- 海外教育をどこまで重視するか
見学や体験授業を利用することで、校風の違いや子どもの反応がわかりやすくなりますよ。
ディアライフ by RENOSYでは、住まい探しだけでなく、日本人学校・インターの情報提供や、習い事のご紹介も行っています。
「うちの子にはどんな環境が合う?」とお悩みの方は、情報収集のひとつとして気軽にお声がけください。
まとめ|タイでの日本人の教育事情は?子育て世代の駐在さん必見の学校事情
タイには、日本人学校とインターナショナルスクールという多様な学びの選択肢があり、家庭ごとに合う教育環境が異なります。
まずは教育事情の基本を押さえたうえで、お子さまの性格や将来の進路に合わせて帯同か日本残留かを検討することが大切です。
ディアライフ by RENOSYでは、お部屋探しに限らず、学校選びのポイントや通学エリアの相談、習い事の情報提供までワンストップでサポートしています。
タイでの生活設計を進めるうえで不安がある方は、いつでもご相談ください。現地事情に詳しいスタッフが、ご家庭に寄り添いながら最適な選択を一緒に考えてまいります。




